本協会顧問 黒田賢一先生が、優れた業績を挙げた兵庫県ゆかりの個人・団体に贈られる「第71回神戸新聞 平和賞」をご受賞されました。
以下は、神戸新聞2017年5月3日掲載の記事より…
「秋祭りの太鼓が聞こえると血が騒ぐ」という生粋の播州人。そんな気質の影響か、古典に立脚しつつも大胆で躍動的な「大字かな」作品に定評がある。姫路市役所に勤めていた19歳の時、故・西谷卯木氏に師事。以来、日展内閣総理大臣賞や日本芸術院賞など多くの賞を受け、かな書の名門「正筆会」会長を継ぐ。
「平和を冠した賞を受け、神戸空襲で左腕を失った西谷先生のご恩を改めて思う。戦時下に味わった痛みが先生の優しさ、謙虚さを培ったのでしょう。書は人格を表す。私自身も、見る人の心を和らげる作品を一つでも多く残したい」
戦後生まれの書家として初の日展審査員となるなど、書壇の新時代を切り開いてきた存在。今春からは日本書芸院理事長の重責も担い、日本の書道文化を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録すべく活動している。
「読み・書き・そろばんといえば、日本の発展を支える人材を育てたもの。書道教育には精神性や集中力を養う意味もある。書を通じ、心豊かな社会づくりに少しでも貢献できれば」
4年半前に大病を患うも快癒し、生かされている感謝をかみしめる日々。3~9日、東京・日本橋高島屋で古希記念の個展を開く。「今の自分を素直に表現した。どんな芸術であれ根底に流れるものは同じ。書作品も頭で理解しようとせず、ただ何かを感じてもらえたらうれしい」
尚、表彰式の模様は下記よりご覧いただけます。
★